『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(Indiana Jones and the Temple of Doom 原題を直訳すると『死の寺院』)は1984年の『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』の次作で、全体の物語(TVドラマシリーズも含めて)の23話目である。
物語の時代設定は『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』の1年前に設定されており、ストーリーは考古学者インディアナ・ジョーンズがインドの小さな村から盗まれた魔法の石を取り戻すべく、歌手のウィリー・スコット、相棒のショート・ラウンドたちと共に魔宮に乗り込むというものである。
1999年にビデオ化、2003年と2008年にDVDとして発売された。
ストーリー
プロローグ:1935年、上海
『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』の物語から1年前、インディは中国、上海の<ナイトクラブ・オビ・ワン>でギャングのラオ・チェーにダイヤモンドピーコック・アイと引き換えにヌルハチの遺灰を届けようとしていた。ラオはクラブの歌手ウィリー・スコットをインディに紹介し、取引が終わった後にインディがシャンパンを飲むとラオは笑い声を上げる。彼は解毒剤を出し、インディが飲んだシャンパンに毒が入っていたことを明かす。給仕に変装したインディの友人ウー・ハンが銃を持って現れたが、ラオ・チェーの息子チェンはウー・ハンを撃ち殺す。インディは復讐のためにチェンを殺し、クラブで騒ぎが起きる。インディは解毒剤を追い、ウィリーはピーコック・アイを探した。その中で偶然彼女は解毒剤を発見し、ドレスに入れた。その後、ラオ・チェーのもう1人の息子カオ・カンはマシンガンを持って現れた。インディは巨大な銅鑼を盾にし、狂ったように乱射するカオ・カンの弾を避け、ウィリーをつれて 窓から降り、相棒の少年ショート・ラウンドが運転する車に着地した。ラオ・チェーは部下を連れ、インディたちの車を追った。車は空港に到着し、3人は用意された飛行機に乗った。インディは飛行機のドアを閉めた。3人とも気づかなかったが、その飛行機はラオ・チェーのものだった。彼はパイロットに3人を殺すように命じた。
インド
ラオ・チェーの手下である飛行機のパイロットたちはパラシュートで飛行機を飛び降り、3人を残していった。3人はゴムボートに乗ると飛行機を飛び出し、山を滑り、川に流され、インドの小さな村に到達した。村人はパンコット宮殿のサギーたちが村の子供全員と聖なる石を奪ったと説明した。村人は3人の英雄に宮殿へ行くための象を貸した。
始めのうちは宮殿はまともなところに見えた。マハラジャの宰相チャター・ラルに出迎えられ、インディは彼に村での話をした。だが、彼はそれを侮辱と呼び、村人が嘘をついたといった。晩餐会の後、インディは部屋で暗殺者に襲われる。彼を撃退すると、秘密の出入り口があると考え、ウィリーの部屋で発見する。3人が地下の秘密の空間を発見するとそこでは女神カーリーを祭るサギーの儀式が行われていた。インディ、ウィリー、ショート・ラウンドは最高位の祭司モラ・ラムが人間をいけにえにするのを見た。彼は村の子供を使い、地下の鉱山を掘らせ、失われた2つの聖なる石を探していた。さらに村から盗まれた石もそこにあった。彼の望みは世界制覇だった。
インディ、ウィリー、及びショート・ラウンドはサギーの衛兵に捕らえられ、インディは拷問の後、"カーリー・マーの血"を飲まされる。彼はその液体で"夢"に陥り、サギーの味方になった。ショート・ラウンドは鉱山で村の子供たち共にに鎖に繋がれ、ウィリーは儀式のいけにえとなった。ショート・ラウンドは逃げ出し、インディを普通の状態に解放した(炎によってこの昏睡状態から覚めることができる)。インディはショート・ラウンドと共にウィリーを助け出し、シャンカラ・ストーンを取り返すと残忍な奴隷の見張りと戦い、彼を破った。そして子供たちを宮殿から逃がした。
インディと彼の友人たちはトロッコに乗ると坑道を走り出した。サギーの追跡者たちも2つのトロッコに乗ると彼らを追った。インディたちは絶壁まで逃れ、そこから地上に這い出した。古い橋があり、インディはそこへいくまでに2人の衛兵を倒した。先に渡っていたウィリーとショート・ラウンドはモラ・ラムに捕まった。インディは橋の中央に立つと山刀で橋を断ち切った。橋がはしごのようになり、彼らは必死にしがみついた。モラ・ラムは登る途中でインディから石の入ったバッグを奪おうとする。インディはシバの神にそむいた男に古い呪文を唱えた。神の怒りによってバッグに火がつき、3つのうち2つの石が落ちた。モラ・ラムは最後の1つの石を落ちる前につかんだが、彼の手は焼けた。モラ・ラムは痛みで手を離し、下にいる空腹なワニに食べられる。インディは冷たくなった最後の石を手に持ち、上に上がった。サギーの残っていた衛兵たちはイギリス軍によって殺され、または逮捕された。
インディと彼の友人たちは村に石を返した。さらに子供も連れて戻った。ウィリーは故郷のミズーリ州へ帰ることをインディに言い、離れようとするウィリーをインディは鞭で連れ戻した。2人が近づいたとき、ショート・ラウンドの象が2人に水をかけた。
登場
登場人物
- インディアナ・ジョーンズ…ハリソン・フォード
- ウィリー・スコット…ケイト・キャプショー
- ショート・ラウンド…キー・ホイ・クアン
- モーラ・ラム…アムリッシュ・プリ
- チャタール・ラル…ロシャン・セス
- キャプテン・ブランバート…フィリップ・ストーン
- ラオ・チェー…ロイ・チャオ
- ウー・ハン…デヴィッド・ヴィップ
- カオ・カン…リック・ヤング
- チェン…チュア・カー・ジョー
- 給仕…レックス・ンギィ
- チーフ・ハンクマン…フィリップ・タン
- ウィーバー…ダン・エイクロイド
- 中国人機長…アキオ・ミタムラ
- 中国人副操縦士…マイケル・ヤマ
- シャーマン…D・R・ナーナヤッカーラ
- 村長…ダーマダーサ・クルアプ
- サジヌ…スタニィ・デ・シルヴァ
その他のキャラクター
- ビッグ・ショート・ラウンド
- ゴング・ストライカー
- ヌルハチ(遺体のみ)
- サギーの暗殺者
登場場所
登場した遺物
- ヌルハチの遺灰(初登場)
- ピーコック・アイ(初登場)
- シャンカラ・ストーン(初登場)
- サンスクリットの絵(初登場)
舞台裏
プロダクション
この映画は大部分をスリランカとイギリスのハートフォードシアにあるエルス・スタジオで撮影した。インド政府は脚本の細かいところに指示をしてきたため、スリランカに移った。また、上海のシーンはマカオで撮影された。
反応
暗いテーマや暴力シーンのために多くの評論家から否定的な批評を受けた。この映画は前作より内容がはるかに暗く(ルーカスが離婚したということに関係している)、乱暴で恐ろしく、インドへの偏見であると評された。4作品の中でも最も興行収入も低い。また、モーラ・ラムは最も評論家に悪い評価を得た。
削除シーン
- パンコット宮殿への途中でインディ、ウィリー及びショート・ラウンドは「エニシング・ゴーズ」(冒頭でウィリーが歌っていた曲)を歌う。
- ウィリーが眠っている間に彼女の方をヘビが這う。
- 石を盗むときにインディはヘビの像を畏敬を込めてそれに触れる。
- ウィリーは1度自分の部屋に戻り、チャタール・ラルと衛兵に遭遇する。そしてチャタール・ラルはカルトの一員であると明かす。
- ショート・ラウンドが鉱山を掘っていたときに衛兵が溶岩に足を焼かれて黒い眠りから目を覚ます。ショート・ラウンドはインディの目を覚ますにはどうすればよいかを理解した。
- インディがウィリーを救った後にチャタール・ラルは負傷から回復し、インディを攻撃する。2人は生贄用の檻の上に立ち、ウィリーがレバーを引くと檻が下がってチャタール・ラルは溶岩で死亡した。
インディ、ウィリー及びショート・ラウンドが宮殿から出るときに溶岩を渡るために橋を架ける。
評価
『魔宮の伝説』の一部はかなり陰惨シーンがあり、他のPG指定の映画から大きな抗議を受けた。スピルバーグ監督は『魔宮の伝説』を当時は存在しなかったPG-13のカテゴリの創造につながった。この映画は非情に暴力的なシーンを含んでおり、昆虫恐怖症や心臓をつかみ出す多くの残酷なシーンがある。
トリビア
- 冒頭の中国語の会話シーンは上海の方言である。
- いつも「ウィリー」と呼ばれているが、本名は「ウィルヘルミナ」である。これはルーカスフィルムの映画などで敵が死んだときに響くウィルヘルムの叫びとウィリーの絶叫シーンが多いことに由来する冗談である。
- また、俳優 / レスラーのパット・ローチがこの映画に登場する。彼は鉱山の衛兵隊長としてインディと戦った。彼は『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』でも2役を演じている(また、彼は『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』にカメオ出演している。)。
小説
1984年にジェイムズ・カーンの書いた小説版とレス・マーティンが書いたジュニア版が発売された。2008年の『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』公開にあわせてジェイムズ・カーンの小説が再刊され、スザンヌ・ウェインが書いた新しいヤングアダルト小説も発売された。
ホーム・ビデオ
映画は1986年にVHSが発売された。後にDVDも出た。
外部リンク
タイムライン | ||
前作 | 次作 | |
1935年 | 1935年 | 1935年 |
『Indiana Jones and the Emperor's Tomb』 | インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説 | 『インディ・ジョーンズ・アドベンチャー』 |
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