インディ・ジョーンズ Wiki
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{{Infobox Film
 
|名前=''Raiders of the Lost Ark''
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|画像ファイル=[[File:Raidersteaser.jpg|250px]]
|作品名=レイダース/失われたアーク《聖櫃》
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|邦題=レイダース/失われたアーク《聖櫃》
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|監督=[[スティーヴン・スピルバーグ]]
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|製作=*[[ジョージ・ルーカス]] {{C|製作総指揮}}
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*[[フランク・マーシャル]]
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|監督 = [[スティン・スピルバーグ]]
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*[[キャーン・ケネディ]]
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|脚本=*ジョージ・ルーカス {{C|原案}}
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*[[フィリップ・カウフマン]] {{C|原案}}
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*[[ローレンス・カスダン]]
|出演者 = [[ハリソン・フォード]]<br/>[[カレン・アレン]]<br/>[[ポール・フリーマン]]<br/>[[ロン・レイシー]]
 
|音楽 = [[ジョン・ウィリアムズ]]
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|出演=*[[ハリソン・フォード]]
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*[[カレン・アレン]]
|配給 = [[パラマウント・ピクチャーズ]]
 
  +
*[[ポール・フリーマン]]
|公開 = {{flagicon|USA}}:1981年6月12日<br />{{flagicon|JPN}}:1981年12月19日
 
  +
*[[ロナルド・レイシー]]
|上映時間 = 115分
 
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*[[デンホルム・エリオット]]
|予算 = $18,000,000
 
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*[[ジョン=リス・デイヴィス]]
|評価 = PG
 
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|配給=[[パラマウント映画]]
|タイムライン = [[1936年]]
 
  +
|公開=*1981年6月12日 {{C|アメリカ}}
|前作 =
 
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*1981年12月5日 {{C|日本}}
| = [[インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説]]
 
 
|上映時間=115分
 
|予算=$18,000,000
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|カノン=映画
 
|タイムライン=[[1936年]]
 
|作=[[インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説]]
 
|次作=[[インディ・ジョーンズ/最後の聖戦]]
 
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}}
『'''レイダース/失われたアーク《聖櫃》'''』('''''Raiders of the Lost Ark'''''、1999年からは『'''インディ・ジョーンズ/レイダース 失われたアーク《聖櫃》'''』という題名に改められている。)[[1981年]][[スティーヴン・スピルバーグ]]と[[ジョージ・ルーカス]]たちによって作成され、公開された冒険映画である。第一作であるが、後に[[インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険|ヤグ・インディ・ジョーンズ・シリーズ]]が公開され、『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』は24話目いうことになっている。この作品はファンの間では単に『'''レイダース'''』と呼ばれること多い。
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『'''レイダース/失われたアーク《聖櫃》'''』とは、[[ジョージ・ルーカス]]によって創造され[[パラマウント映画]]によって配給された1981年のアクション・アドベンチャー映画である。初めて公開された『[[インディ・ジョーンズ (フラチャイズ)|インディ・ジョーンズ]]』作品で、「[[コンプリート・アドベンチャーズ・オブ・インディ・ジョーンズ]]」ではチャプター24とされている。シリーズの続編との連続性のため1999年のビデオ発売時に'''インディ・ジョーンズ/レイダース 失われたアーク《聖櫃》'''(''Indiana Jones and the Raiders of the Lost Ark'')と改題されたが映画の中で表示されるタイトルのままである。ファンの間では単に『'''レイダース'''』(''Raiders'')と呼ばれること多い。
   
この映画は、ジョージ・ルーカスが[[1977年]]にスター・ウォーズを公開したルスが批判恐れ[[ハワイ]]に赴いたときに、同時に休暇に来ていたスティーヴン・スピルバーグと会い、2人で話を進めたことがきっけだった。ルーカスとスピルバーグは“ジェームズ・ボンド映画”のようなものりたった。また、ルーカスは少年時代に見た、冒険活劇を望んでた。[[フィリップ・カウフマン]]も加わり、スター・ウォーズの仕事終えたルーは脚本家[[ローレンス・カスダン]]格的作り始めていった。
+
ルーカス1977年に自身の『[[starwars:ja:スター・ウォーズ エピソド4/新たなる希望|ター・ウォーズ]]』予想以上のヒット記録するとすぐに本作の構想に取り掛かった。[[ハワイ]]休暇を取っていた彼は友人の映画監督[[スティーヴン・スピルバーグ]]ら「[[ジェームズ・ボンド]]のような映画」ずっと撮りたいと思ていと言われる。ルーカスはもっとい考えがあると答えて彼と脚本家/監督[[フィリップ・カウフマン]]が1975年ごろから取組んでいた1930年代~40年代の様式を復活させた冒険活劇の構想を伝えた。この物語はルーカスが『スター・ウォーズ完成させるまで温められてい。スピバーグのコメントが『レイダース』に新たな動きを加え、彼の監督で[[ローレンス・カスダン]]が脚を担当することった。
   
  +
舞台は20世紀前半、物語はアメリカ政府に雇われた[[インディアナ・ジョーンズ]]という[[考古学者]]が神秘的で超人的な力を秘めた[[契約のアーク]]をかけた争奪に加わる姿を描いている。彼は世界征服のためにアークを狙う[[アドルフ・ヒトラー]]と[[ナチス]]政権の手先に先んじてこの聖書の遺物を手に入れなければならない。
ストーリーは[[1936年]]に、[[ナチス・ドイツ|ナチス]]、[[アドルフ・ヒトラー]]が[[失われたアーク]]を狙っているというものになり、それを防ぐよう、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]政府に依頼された[[考古学]]者[[インディアナ・ジョーンズ]]はかつての師、[[アブナー・レイヴンウッド]]の娘、[[マリオン・レイヴンウッド|マリオン]]と昔からの友人、[[サラー・モハメッド・ファイセル・エル=カヒール|サラー]]と共に、[[エジプト]]でナチスと戦った。
 
   
73日間と日数と、1800万ドルの予算で製作されたこの映画は1981年6月21日(日本は1981年12月19日)に公開された。して、3億8414万454ドルう記録的な売り上げとなった。1982年には監督賞ノト、作品賞、撮影賞、、その他合計で8つの賞にノミネートされた。それからこの作品は1999年にビデオされ2003年と2008年にはDVDされた。
+
73日間の撮影と約18,000,000アメリカドルで製作された『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』は1981年6月にアメリカで公開されその年の最高興行収入映画となり全世界で384,140,454ドルを稼。1982年には[[wikipedia:ja:アカデミー作品賞|]]を含む8つの[[wikipedia:ja:アカデミー賞|アカデミー]]にノミネートされ[[wikipedia:ja:アカデミー録音賞|録音賞]]、[[wikipedia:ja:アカデミー編集賞|編集賞]]、[[wikipedia:ja:アカデミー視覚効果賞|視覚効果賞]]、[[wikipedia:ja:アカデミー美術賞|美術賞]]の4つを受賞した。1999年にビデオが発売され2003年と2008年にはDVDが出た。2012年にはレストアが施され「[[インディ・ジョーンズ コンプリート・アドベンチャーズ]]」の一作としてHDホームビデオが発売された。
   
  +
==概要==
== ストーリー ==
 
=== プロローグ:1936年南アメリカ ===
+
===プロローグ:1936年 南アメリカ ===
 
[[ファイル:Boulder.jpg|thumb|200px|巨石に追われるインディ]]
 
[[ファイル:Boulder.jpg|thumb|200px|巨石に追われるインディ]]
『[[インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説]]』の出来事から1年後、[[1936年]]、[[インディアナ・ジョーンズ|インディアナ・ジョーンズ博士]]は数人の[[ペルー|ペルー人]]のガイドと共ジャングルにい[[チャチャポヤの豊穣の像]]を探すただった。彼は貪欲な2人のペルー、[[バランカ]]と[[サティポ]]と共に[[チャチャポヤン遺跡]]にたど着いた。2人はジョーンズったが、は屈せず、像持っ遺跡から脱出し。外に強敵である[[ルネ・エミール・ベロック|フランス人考古学者ルネ・ベロック]]が原住民の[[ホヴィト]]を従えて待機していた。ジョーンズは像をやむなくベロックに渡[[ジョック・リンゼイ]]の操縦する陸両用の飛行機で原住民の攻撃から逃れた
+
舞台は[[1936年]]、『[[インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説]]』の出来事から1年後、物語は[[インディアナ・ジョーンズ|インディアナ・ジョーンズ博士]][[チャチャポヤの戦士の寺院]]に祀られた[[チャチャポヤの豊穣の像|豊穣の黄金像]]をて数名ガイドと共に[[ペルー]]のジャングルを歩くところから始まる。ジョーンズは張り巡らされた罠ふたりのガイド[[バランカ]]と[[サティポ]]の裏切、寺院で迫りくる巨大な丸石を切り抜ける。外で彼を待ち受け宿敵の[[フランス|フランス人]][[考古学者]][[ルネ・エミール・ベロック]][[ホヴィト]]の原住民だった。ベロックに像を奪われたジョーンズは近郊で待機ていた[[ジョック・リンゼイ]]の[[OB-CPO|飛行機]]脱出する
   
=== 合衆国 ===
+
===アメリカ合衆国===
インディは[[マーシャル大学]]に戻り、本職である教授としての仕事をしてい彼の良い友達である[[マーカス・ブロディ]]は彼を呼び出し、アメリカの2人の男会わせ。2人インディに[[アブナー・レイヴンウッド|アブナー・レイヴンウッド教授]]の居所を尋ねた。ンディはレイヴンウッド教授学んだことがあった。2人の軍人は[[ナチス]]の無線傍受したインディとブロディに話し、ナチスが[[契約のアーク]]を探しているこを明かした。契約のアークは[[モーゼ]]が[[神]]か受け取った[[十戒]]収められている箱である。[[アドルフ・ヒトラー]]が狙ってい
+
教鞭を振るう[[マーシャル大学]]に戻た彼は学部長で親友の[[マーカス・ブロディ]]と共にふたりのアメリカ軍諜報員から講堂呼び出される。ふは[[アブナー・レイヴンウッド]][[教授]]がドツ諜報部興味を抱かれていることを示す[[ナチス]]の暗号文解読したと説明する。かつてレイヴンウッドの教え子だったインディナチスが[[契約のアーク]]―[[神]]と[[モーゼ]]の導きによって作た[[十戒]]石板のかけらを収めるための黄金と宝石の箱―の発見に近づいていると解釈する。伝説が事実だとすば、[[アドルフ・ヒトラー]]はアークを使って彼の軍隊を無敵にできるとうことになる
   
ドイツ人たちはアークの隠されている場の測定に必要である[[ラーの杖飾り]]をレイヴンウッドが持っていると確信していた。アーク[[エジプト]]の[[タニス]]という都市にあるとされており、タニス模型がある<[[地図の間]]>でラーの杖に杖飾りをつけ、特定の時間の特定の高さ、場所に光を当てると光が差し込み、アークの隠し場所の部分の模型が光に当たるといわれていた伝説によると、アークを[[エルサレム]]から盗んだ[[ションク|ファラオョンク]]の都タニスは長い砂嵐で埋もれていた。そためアークが隠されている秘密の部屋<[[魂の井戸]]>は砂の下だった。
+
[[ドイツ|ドイツ人たち]]はアークの安置を指し示す[[ラーの杖飾り]]をレイヴンウッドが持っていると確信していた。杖飾りは黄金のメダルで、ある高さの棒の先につけると太陽の光を集め、アークが隠されている[[エジプト]]の古代都市[[タニス]]の場所に光放つレイヴンウッドによれば[[シシク|ファラオシシク]]が[[エルサレム]]からアークを盗み、それを彼の都タニスの地中[[魂の井戸]]に隠したということだった。
   
=== ネパール ===
+
===ネパール===
[[ファイル:Indyravengun.jpg|thumb|left|150px|インディはレイヴンでトート及び彼の部下たちと撃ち合う。]]
+
[[ファイル:Indyravengun.jpg|thumb|left|150px|インディはレイヴンでトートとその部下たちと戦を繰り広げる。]]
インディはアブナー・レイヴンウッドの娘[[マリオン・レイヴンウッド]]と会うため[[パンアメリカン航空のクリッパー]]に乗り、[[ネパール]]へ飛んだ。インディはマリオンに会うが彼女の父親はすでに死んでいた。考古学者に続き、ナチスのエージェント[[アーノルド・エルンスト・トート|トート]]が現れ、マリオンを火かき棒で脅し危機に気づいたインディバーに戻りトートとの部下たち銃撃戦を始め。マリオンはインディに協力した戦闘中、トートはマリオンが所有していたラーの杖飾りをけて掴むが杖飾りは火によって熱くなっており、トートは杖飾りの模様焼きついた
+
インディは[[パンナム・クリッパー]]に乗って雪の降る山間の国[[ネパール]]に降り立ち、教授の勝ち気で自立した娘[[マリオン・レイヴンウッド]]に会う。だが彼女の父親はに死亡し、彼女は杖飾りを手放したがらなかった。インディが立ち去った後、この考古学者を尾行していたサディスティックで残虐なナチエージェント[[アーノルド・エルンスト・トート|アーノルド・トート]]が現れ、灼けた火かき棒で彼女を脅し強引にメダルを奪おうとする騒ぎに気づいたインディバーに戻りトートとの部下たちを相手に激しい銃撃戦を始め。マリオンはインディに協力するふたりは襲撃者を撃退するがそのときトートはうっか戦闘中に炎にさらされたメダルをつかみひら遺物の模様焼き付けてしまう
   
=== エジプトカイロ ===
+
===エジプト カイロ===
ジョーンズとレイヴンウッドはエジプトの[[カイロ]]に飛んだ。インディは助けを得るめ、発掘の労働であり考古学者でもある友人の[[サラー・モハメッド・ファイセル・エル=カヒール|サラー]]のもへ行った。インディは杖飾りに古代の文字で記されているラーの杖の高さの解読をサラーに相談した
+
ジョーンズとレイヴンウッドは[[カイロ]]に飛び、杖の高さの特定に必要な杖飾りの紋章解読のため、インディの友人で熟練した発掘者考古学者[[サラー・モハメッド・ファイセル・エル=カヒール|サラー]]と会う
   
カイロの市場を歩いていたインディとマリオンは雇われた[[アラブ・ソードマン|剣士]]に遭遇する。インディは銃で後、次々と来る障壁を乗り越え、マリオンを守ろうとした。マリオンは籐のカゴに入れられたままトラックの荷台られた。インディはトラックの運転手を撃ち、トラック横転させた。ところがトラックはカゴと共に爆発した。悲しんだインディは酒場へ行き酒を飲んだ。そこでインディはアークを見つけるためナチスに雇われたベロックする。フランス人はインディに説教したがインディは彼を殺そうとして銃を持った。その瞬間、ベロックのボディガードたちがインディに銃を向けインディはサラーが仕向けた彼の子供たちに囲まれ酒場から出た
+
カイロの市場を歩いていたインディとマリオンは雇われた[[アラブ・ソードマン|ソードメン]]に襲撃され大規模な市街戦を繰り広げる。インディは襲撃してくるバザール傭兵たち倒していくが(彼はリーダーを一で射した、ナチス諜報部員はマリオンをえてトラックに。インディ運転手を射殺するとトラック横転爆発してしまう。自責の念に駆られたインディは[[マーハラ・バー|酒場]]に入るが、アーク捜索のためナチスに雇われたルネ・ベロックび遭遇する。アークの秘密に関するフランス人の意見無視してたインディはサラーの子供たちに囲まれてベロックの用心棒からうまく逃げおおせる
   
その、サラーは杖飾りの文字を解読するためにインディを[[イマム]]のに連れて行ったイマムはヘブライの神敬意を表し、杖を短くしと書いてある注意したナチスはトートの掌に焼きついた火傷の痕をもとに杖飾りの複製を作ったため、かなかった。ためさが違いナチスは間違った場所を熱心に発掘していたことが判明した。
+
その、サラーはインディを紋章の解読ができる[[イマム]]老人に連れて行老人片側に、ヘブライの神への敬意から杖を短くしなければならないと書いてあると注意する。これはナチスが杖飾りを誤読ていることを示していナチスはトートの火傷から側だけ復元ていナチスの杖すぎであり、間違った場所を発掘していた。
   
 
[[ファイル:LostArk.jpg|thumb|180px|魂の井戸でのインディとサラー]]
  +
インディアナ・ジョーンズはタニス発掘現場でマリオンが生きていると知る。彼女は縛られさるぐつわをかまされていたが、彼女を逃がすとアーク発見が危うくなるため、ジョーンズは後で助けることにしてそのまま置き去りにする。
   
 
===タニス===
  +
発掘現場に潜入したインディとサラーは地図の間で杖飾りを使い[[ヘビ]]のうごめく魂の井戸の奥深くでアークを見つけ出す。ベロック、トート、サディスティックな[[ヘルマン・ディートリッヒ|ディートリッヒ]][[大佐]]と助手の[[ゴブラー]]、彼らの率いるドイツ兵たちは入り口を包囲しアークを奪ってマリオンを穴に突き落としインディとマリオンをヘビのうごめく魂の井戸に取り残して殺そうとする。ふたりは傷んだ石壁を破って脱出し[[フライング・ウィング|ドイツ空軍機]]がアークの[[ベルリン]]空輸の準備に取り掛かっているところを目撃する。
   
  +
パイロットを抑えようとしたインディは飛行機の開店するプロペラ付近で[[ジャーマン・メカニック|屈強な兵士]]との格闘にもつれ込む。マリオンが[[パイロット (人物)|パイロット]]をノックアウトし飛行機のマシンガンで歩兵たちを蹴散らしている間、インディは苦戦していたが、相手がプロペラに切り裂かれると顔をそむける。ふたりは飛行機がガソリン引火で爆発する前に逃亡する。ベロックとディートリッヒはカイロからベルリンへ空輸するよりトラックに積むことにする。
[[ファイル:LostArk.jpg|thumb|180px|魂の井戸でのインディとサラー]]
 
インディアナ・ジョーンズにより、マリオンが生きていたことが分かった。彼女は人質になり、縛られていた。ジョーンズは彼女を逃がすとナチスが探し始めると考え、アーク発見のために彼女を置き去りにした。
 
   
  +
[[ウマ]]を駆って輸送隊に追いついたインディは[[メルセデス・ベンツ LG3000|アークのトラック]]のハンドルを奪い乗っていたナチスの兵士や他の護衛車を払いのけ、ベロックとディートリッヒをまく。アークを持ってカイロについたインディとマリオンは上機嫌なサラーに別れを告げ荷物と共に<[[バンツー・ウインド]]>に乗って海に出る。船は[[サイモン・カタンガ]]船長のもと、イングランドへ向けて出発する。
インディとサラーはアークの置かれる<魂の井戸>の床を[[ヘビ]]が埋め尽くしているのを見る。アークを上に運び出したインディだったがナチスの[[ヘルマン・ディートリッヒ|ディートリッヒ大佐]]と副官の[[ゴブラー]]が現れ、マリオンを<井戸>に落とすとインディと2人にし、閉じ込めた。だが、2人は道を見つけナチスのアークを運ぶための[[フライング・ウイング|飛行機]]があるか走路に出た。
 
   
  +
===アークの開蓋===
[[パイロット(人物)|パイロット]]を止めようとしていたとき、インディは[[ジャーマン・メカニック|筋肉隆々の兵士]]に発見され、格闘戦を始めた。マリオンはタイヤ止めの1つでパイロットをノックアウトした。タイヤ止めが1つ失われたことにより飛行機はもう片方のタイヤを中心にまわり始めた。格闘をしていた相手の兵士が飛行機のプロペラによって切り刻まれるとインディはマリオンを連れて逃げた。その後、ガソリン爆発が起こり、飛行機は粉々になった。ベロックとディートリッヒは予定を変え、トラックでアークを運ぶことにした。
 
 
ベロックディートリッヒの乗った[[ワーフラー|ナチスのUボート]]が船を止めアクとマリオンを奪うがインディはひそかに潜水艦について行く(艦体にしがみついていた。艦はエーゲ海の島にドッキングしインディは服を盗む。ロケット・ランチャーでアークを破壊すると脅すが、インディベロックの説得により、考古学者としてアークの中身見たいという欲求にかられ降伏する
   
  +
マリオンとインディは縛られ、ベロックがドイツ兵たちの前でアークを開ける儀式を見守らなければならなかった。不思議で神秘的な精霊たちが飛び出し、魂をあの世に吸いだしてベロック、ディートリッヒ、トートら(それぞれ、頭が破裂、頭が内破、顔が溶解)と他の兵士たちを殺していく。ジョーンズがこの精霊を見てはいけないと気づき、マリオンに目を閉じるよう言ったため、インディとマリオンは助かる。ふたりは神の逆鱗を逃れる。
インディは[[ウマ]]に乗るとナチスの[[メルセデス・ベンツ LG3000|トラック]]を追った。インディはトラックに乗り移ると運転手を放り出し、彼自身が運転した。ベロックとディートリッヒの乗る車を出し抜き、インディはアークを手に入れて戻った。サラーはキャプテン・[[サイモン・カタンガ]]の海賊船<[[バンツー・ウインド号]]>を予約し、インディとマリオンに別れを告げた。<バンツー・ウインド号>はイギリスに向けて出発した。
 
   
 
===エピローグ:ワシントンD.C.===
ベロックディートリッヒ[[ワーフラー|ナチUボート]]で<バンツ・ウインド号>に追いついた。彼らはマリオンとアークを奪うと離れていこうとした。だ、その前にインディはひそかに潜水艦にしがみついていた。潜水艦はエーゲ海にある基地にドッキングした(インディはそこでナチスの制服を奪う)ベロックに対し、アークをロケット・ランチャーで撃つと脅したインディだったが、ベロックは彼がアークのような歴史撃つはずはないと確信してた。実際彼は撃つ事ができなった
 
  +
その後、ふたりのアメリカ軍諜報員は[[ワシントンDC]]でインディに、「トップの者たち」がアークを調査中だと告げるが、実際のところアークは刻印された木箱に入れられ、幾千もの似たような箱が積み上げられた巨大な[[51番格納庫|政府の倉庫]]に安置されていた。
   
 
==登場==
インディはマリオンと共に捕まり、ベロックがアークを開けるのを縛られたまま見守ることになった。彼がアークのふたを開けると、中からいくつもの精霊が飛び出し、ベロック(頭が爆発する)、ディートリッヒ(頭がしぼむ)、トート(顔が溶ける)を殺し、ナチスの兵士たちも死んだ。インディはマリオンに目を閉じるように言い、彼も閉じていた。そしてこの2人は神の怒りに触れることはなかった。ここでは2人以外の全ての人間が死亡していた。
 
  +
===キャスト===
 
=== エピローグ:ワシントン D.C. ===
 
その後、インディは[[ワシントンD.C.]]で2人の陸軍諜報部員に会い、アークを"トップの連中"が調査していることを聞かされる。アークは木箱に入れられ、政府の[[51番格納庫|巨大な倉庫]]に保管された。
 
 
== 登場 ==
 
=== キャ===
 
 
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*[[インディアナ・ジョーンズ]] .... [[ハリソン・フォード]]
 
*[[インディアナ・ジョーンズ]] .... [[ハリソン・フォード]]
 
*[[マリオン・レイヴンウッド]] .... [[カレン・アレン]]
 
*[[マリオン・レイヴンウッド]] .... [[カレン・アレン]]
 
*[[ルネ・エミール・ベロック|ベロック]] .... [[ポール・フリーマン]]
 
*[[ルネ・エミール・ベロック|ベロック]] .... [[ポール・フリーマン]]
*[[アーノルド・エルンスト・トート|トート]] .... [[ロ・レイシー]]
+
*[[アーノルド・エルンスト・トート|トート]] .... [[ロナルド・レイシー]]
 
*[[サラー・モハメッド・ファイセル・エル=カヒール|サラー]] .... [[ジョン・リス=デイヴィス]]
 
*[[サラー・モハメッド・ファイセル・エル=カヒール|サラー]] .... [[ジョン・リス=デイヴィス]]
 
*[[マーカス・ブロディ|ブロディ]] .... [[デンホルム・エリオット]]
 
*[[マーカス・ブロディ|ブロディ]] .... [[デンホルム・エリオット]]
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*[[オットー(セカンド・ナチ)|2nd ナチ]] .... [[マシュー・スカーフィールド]]
 
*[[オットー(セカンド・ナチ)|2nd ナチ]] .... [[マシュー・スカーフィールド]]
 
*[[みすぼらしいネパール人]] .... [[マルコム・ウィーヴァー]]
 
*[[みすぼらしいネパール人]] .... [[マルコム・ウィーヴァー]]
*[[平均的なモンゴル人]] .... [[ソニー・カルディネズ]]</div>
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*[[粗野なモンゴル人]] .... [[ソニー・カルディネズ]]</div>
 
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*[[モハン]] .... [[アントニイ・チン]]
 
*[[モハン]] .... [[アントニイ・チン]]
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*[[メッセンジャー・パイレーツ]] .... [[エディ・タグ]]
 
*[[メッセンジャー・パイレーツ]] .... [[エディ・タグ]]
 
*[[タフ・サージャント|軍曹]] .... [[ジョン・リース]]
 
*[[タフ・サージャント|軍曹]] .... [[ジョン・リース]]
*[[モーラー|高い艦長]] .... [[トニー・フォーゲル]]
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*[[モーラー|長身の艦長]] .... [[トニー・フォーゲル]]
 
*[[ペルー人のポーター]] .... [[テッド・グロースマン]]</div>
 
*[[ペルー人のポーター]] .... [[テッド・グロースマン]]</div>
 
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=== その他のキャラクター ===
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===その他のキャラクター===
*[[アヌビス]]<small>(のみ)</small>
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*[[アヌビス]] {{C|}}
 
*[[オマキザル]]
 
*[[オマキザル]]
*[[フォレスタル]]<small>(死体のみ)</small>
+
*[[フォレスタル]] {{C|死体}}
 
*[[ジャスミン・エル=カヒール]]
 
*[[ジャスミン・エル=カヒール]]
 
*[[モスティ・エル=カヒール]]
 
*[[モスティ・エル=カヒール]]
*[[イエス・キリスト]]{{Mo}}
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*[[イエス・キリスト]] {{Mo}}
*[[アンナ・メアリー・ジョーンズ|アンナ・ジョーンズ]]{{Mo}}
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*[[アンナ・メアリー・ジョーンズ|アンナ・ジョーンズ]] {{Mo}}
*[[マイケルソン]]{{Mo}}
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*[[マイケルソン]] {{Mo}}
*[[アブナー・レイヴンウッド]]{{Mo}}
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*[[アブナー・レイヴンウッド]] {{Mo}}
 
*[[レギー]]
 
*[[レギー]]
 
*[[セカンド・ジャーマン・メカニック]]
 
*[[セカンド・ジャーマン・メカニック]]
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*[[倉庫業者]]
 
*[[倉庫業者]]
   
=== 登場した遺物 ===
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===遺物===
 
*[[契約のアーク]]
 
*[[契約のアーク]]
 
*[[チャチャポヤの豊穣の像]]
 
*[[チャチャポヤの豊穣の像]]
159行目: 166行目:
 
*[[南アメリカ]]
 
*[[南アメリカ]]
 
**[[ペルー]]
 
**[[ペルー]]
***[[チャチャポヤ戦士の寺院]]
+
***[[チャチャポヤ戦士の寺院]]
*[[アメリカ合衆国|合衆国]]
+
*[[アメリカ合衆国]]
 
**[[ワシントンDC]]
 
**[[ワシントンDC]]
  +
***[[ワシントン記念塔]]
 
**[[コネティカット州]]
 
**[[コネティカット州]]
 
***[[インディアナ・ジョーンズの家]]
 
***[[インディアナ・ジョーンズの家]]
171行目: 179行目:
 
*<[[ゲヒムヘヴン]]>
 
*<[[ゲヒムヘヴン]]>
 
**[[儀式場]]
 
**[[儀式場]]
*[[マラケシュ]]{{Mo}}
+
*[[マラケシュ]] {{Mo}}
*[[タークディーン古墳]]{{Mo}}
+
*[[タークディーン古墳]] {{Mo}}
*[[マウント・ホーワーブ]]{{Mo}}
+
*[[マウント・ホーワーブ]] {{Mo}}
   
=== 車両及び船 ===
+
===車両と乗り物===
*[[OB-CPO]]
+
*[[OB-CPO]]
*[[パン・アム・クリッパー]]
+
*[[パンム・クリッパー]]
*[[エア・イースト・アジア]]
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*[[エア・イースト・アジア]]のダグラスDC-3
 
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2016年6月2日 (木) 13:31時点における最新版

レイダース/失われたアーク《聖櫃》』とは、ジョージ・ルーカスによって創造されパラマウント映画によって配給された1981年のアクション・アドベンチャー映画である。初めて公開された『インディ・ジョーンズ』作品で、「コンプリート・アドベンチャーズ・オブ・インディ・ジョーンズ」ではチャプター24とされている。シリーズの続編との連続性のため、1999年のビデオ発売時に『インディ・ジョーンズ/レイダース 失われたアーク《聖櫃》』(Indiana Jones and the Raiders of the Lost Ark)と改題されたが映画の中で表示されるタイトルはもとのままである。ファンの間では単に『レイダース』(Raiders)と呼ばれることも多い。

ルーカスは1977年に自身の『スター・ウォーズ』が予想以上のヒットを記録するとすぐに本作の構想に取り掛かった。ハワイで休暇を取っていた彼は友人の映画監督スティーヴン・スピルバーグから「ジェームズ・ボンドのような映画」をずっと撮りたいと思っていたと言われる。ルーカスはもっといい考えがあると答えて彼と脚本家/監督フィリップ・カウフマンが1975年ごろから取り組んでいた、1930年代~40年代の様式を復活させた冒険活劇の構想を伝えた。この物語はルーカスが『スター・ウォーズ』を完成させるまで温められていた。スピルバーグのコメントが『レイダース』に新たな動きを加え、彼の監督でローレンス・カスダンが脚本を担当することになった。

舞台は20世紀前半、物語はアメリカ政府に雇われたインディアナ・ジョーンズという考古学者が神秘的で超人的な力を秘めた契約のアークをかけた争奪に加わる姿を描いている。彼は世界征服のためにアークを狙うアドルフ・ヒトラーナチス政権の手先に先んじてこの聖書の遺物を手に入れなければならない。

73日間の撮影と約18,000,000アメリカドルで製作された『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』は1981年6月にアメリカで公開されその年の最高興行収入映画となり全世界で384,140,454ドルを稼いだ。1982年には作品賞を含む8つのアカデミー賞にノミネートされ録音賞編集賞視覚効果賞美術賞の4つを受賞した。1999年にビデオが発売され2003年と2008年にはDVDが出た。2012年にはレストアが施され「インディ・ジョーンズ コンプリート・アドベンチャーズ」の一作としてHDホームビデオが発売された。

概要[]

プロローグ:1936年 南アメリカ[]

Boulder

巨石に追われるインディ

舞台は1936年、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』の出来事から1年後、物語はインディアナ・ジョーンズ博士チャチャポヤの戦士の寺院に祀られた豊穣の黄金像を求めて数名のガイドと共にペルーのジャングルを歩くところから始まる。ジョーンズは張り巡らされた罠、ふたりのガイドバランカサティポの裏切り、寺院で迫りくる巨大な丸石を切り抜ける。外で彼を待ち受けていたのは宿敵のフランス人考古学者ルネ・エミール・ベロックホヴィトの原住民だった。ベロックに像を奪われたジョーンズは近郊で待機していたジョック・リンゼイ水上飛行機で脱出する。

アメリカ合衆国[]

教鞭を振るうマーシャル大学に戻った彼は学部長で親友のマーカス・ブロディと共に、ふたりのアメリカ軍諜報員から講堂に呼び出される。ふたりはアブナー・レイヴンウッド教授がドイツ諜報部に興味を抱かれていることを示すナチスの暗号文を解読したと説明する。かつてレイヴンウッドの教え子だったインディはナチスが契約のアークモーゼの導きによって作られた十戒石板のかけらを収めるための黄金と宝石の箱―の発見に近づいていると解釈する。伝説が事実だとすれば、アドルフ・ヒトラーはアークを使って彼の軍隊を無敵にできるということになる。

ドイツ人たちはアークの安置所を指し示すラーの杖飾りをレイヴンウッドが持っていると確信していた。杖飾りは黄金のメダルで、ある高さの棒の先につけると太陽の光を集め、アークが隠されているエジプトの古代都市タニスの場所に光線を放つ。レイヴンウッドによればファラオのシシャクエルサレムからアークを盗み、それを彼の都市タニスの地中魂の井戸に隠したということだった。

ネパール[]

Indyravengun

インディはレイヴンでトートとその部下たちと銃撃戦を繰り広げる。

インディはパンナム・クリッパーに乗って雪の降る山間の国ネパールに降り立ち、教授の勝ち気で自立した娘マリオン・レイヴンウッドに会う。だが彼女の父親は既に死亡し、彼女は杖飾りを手放したがらなかった。インディが立ち去った後、この考古学者を尾行していたサディスティックで残虐なナチ・エージェント・アーノルド・トートが現れ、灼けた火かき棒で彼女を脅し強引にメダルを奪おうとする。騒ぎに気づいたインディがバーに戻りトートとその部下たちを相手に激しい銃撃戦を始める。マリオンはインディに協力する。ふたりは襲撃者を撃退するが、そのときトートはうっかり戦闘中に炎にさらされたメダルをつかみ、手のひらに遺物の模様を焼き付けてしまう。

エジプト カイロ[]

ジョーンズとレイヴンウッドはカイロに飛び、杖の高さの特定に必要な杖飾りの紋章解読のため、インディの友人で熟練した発掘者、考古学者サラーと会う。

カイロの市場を歩いていたインディとマリオンは雇われたソードメンに襲撃され大規模な市街戦を繰り広げる。インディは襲撃してくるバザールの傭兵たちを倒していくが(彼はリーダーを一撃で射殺した)、ナチスの諜報部員はマリオンを捕まえてトラックに乗せる。インディが運転手を射殺するとトラックは横転し爆発してしまう。自責の念に駆られたインディは酒場に入るが、アーク捜索のためナチスに雇われたルネ・ベロックと再び遭遇する。アークの秘密に関するフランス人の意見を無視して立ち上がったインディはサラーの子供たちに囲まれてベロックの用心棒からうまく逃げおおせる。

その夜、サラーはインディを紋章の解読ができるイマム老人の所に連れて行く。老人は片側に、ヘブライの神への敬意から杖を短くしなければならないと書いてあると注意する。これはナチスが杖飾りを誤読していることを示していた(ナチスはトートの火傷から片側だけ復元していた)。ナチスの杖は長すぎであり、間違った場所を発掘していた。

LostArk

魂の井戸でのインディとサラー

インディアナ・ジョーンズはタニス発掘現場でマリオンが生きていると知る。彼女は縛られさるぐつわをかまされていたが、彼女を逃がすとアーク発見が危うくなるため、ジョーンズは後で助けることにしてそのまま置き去りにする。

タニス[]

発掘現場に潜入したインディとサラーは地図の間で杖飾りを使いヘビのうごめく魂の井戸の奥深くでアークを見つけ出す。ベロック、トート、サディスティックなディートリッヒ大佐と助手のゴブラー、彼らの率いるドイツ兵たちは入り口を包囲しアークを奪ってマリオンを穴に突き落としインディとマリオンをヘビのうごめく魂の井戸に取り残して殺そうとする。ふたりは傷んだ石壁を破って脱出しドイツ空軍機がアークのベルリン空輸の準備に取り掛かっているところを目撃する。

パイロットを抑えようとしたインディは飛行機の開店するプロペラ付近で屈強な兵士との格闘にもつれ込む。マリオンがパイロットをノックアウトし飛行機のマシンガンで歩兵たちを蹴散らしている間、インディは苦戦していたが、相手がプロペラに切り裂かれると顔をそむける。ふたりは飛行機がガソリン引火で爆発する前に逃亡する。ベロックとディートリッヒはカイロからベルリンへ空輸するよりトラックに積むことにする。

ウマを駆って輸送隊に追いついたインディはアークのトラックのハンドルを奪い乗っていたナチスの兵士や他の護衛車を払いのけ、ベロックとディートリッヒをまく。アークを持ってカイロについたインディとマリオンは上機嫌なサラーに別れを告げ荷物と共に<バンツー・ウインド>に乗って海に出る。船はサイモン・カタンガ船長のもと、イングランドへ向けて出発する。

アークの開蓋[]

ベロックとディートリッヒの乗ったナチスのUボートが船を止めアークとマリオンを奪うがインディはひそかに潜水艦について行く(艦体にしがみついていた)。艦はエーゲ海の島にドッキングしインディは軍服を盗む。ロケット・ランチャーでアークを破壊すると脅すが、インディはベロックの説得により、考古学者としてアークの中身を見たいという欲求にかられ降伏する。

マリオンとインディは縛られ、ベロックがドイツ兵たちの前でアークを開ける儀式を見守らなければならなかった。不思議で神秘的な精霊たちが飛び出し、魂をあの世に吸いだしてベロック、ディートリッヒ、トートら(それぞれ、頭が破裂、頭が内破、顔が溶解)と他の兵士たちを殺していく。ジョーンズがこの精霊を見てはいけないと気づき、マリオンに目を閉じるよう言ったため、インディとマリオンは助かる。ふたりは神の逆鱗を逃れる。

エピローグ:ワシントンD.C.[]

その後、ふたりのアメリカ軍諜報員はワシントンDCでインディに、「トップの者たち」がアークを調査中だと告げるが、実際のところアークは刻印された木箱に入れられ、幾千もの似たような箱が積み上げられた巨大な政府の倉庫に安置されていた。

登場[]

キャスト[]


その他のキャラクター[]

遺物[]

登場場所[]

  • エジプト
    • カイロ
    • タニス
      • 地図の間
      • 魂の井戸
      • ナチ・キャンプと滑走路
  • ネパール
    • レイヴン
  • 南アメリカ
    • ペルー
      • チャチャポヤの戦士の寺院
  • アメリカ合衆国
    • ワシントンDC
      • ワシントン記念塔
    • コネティカット州
    • ネヴァダ州
    • カリフォルニア州
      • サンフランシスコ
  • ゲヒムヘヴン
    • 儀式場
  • マラケシュ (言及のみ)
  • タークディーン古墳 (言及のみ)
  • マウント・ホーワーブ (言及のみ)

車両と乗り物[]

  • OB-CPO
  • パンナム・クリッパー
  • エア・イースト・アジアのダグラスDC-3
  • フライング・ウィング
  • メルセデス・ベンツ G5
  • メルセデス・ベンツ LG3000
  • バンツー・ウインド
  • ワーフラー

その他[]

  • ア・ブリティッシュ・タール
  • ウマ
  • ラバ
  • 遺物保護国際協定

舞台裏[]

スタッフ[]

視覚効果[]

『新たなる希望』で一度解散した視覚効果チームはインダストリアル・ライト&マジックとして再結集。『帝国の逆襲』の次作が『レイダース』となった。視覚効果監督はリチャード・エドランド。現在は映画監督となったジョー・ジョンストンがSFXシーンの絵コンテを担当。インディがアメリカを発つ際に乗る飛行艇、追跡シーンでジープが転落する崖、ラストの薄暗い倉庫などマット・ペインティングも効果的に使われた。

終盤のディートリッヒ、トート、ベロックが死ぬ場面はクリス・ウェイラスによる特殊メイクアップ効果。それぞれの俳優の頭部から型取りされたモデルを、(1)真空ポンプで潰す・(2)熱で溶ける様子を低速度で撮影・(3)ショットガンで破壊という手段で作られた。(3)の効果はデヴィッド・クローネンバーグ監督の『スキャナーズ』でも使われている。

キャスティング[]

当初、インディの役はトム・セレックが予定されていたが、セレックは当時テレビを中心として人気が絶頂で、テレビシリーズ(『探偵マグナム』)の仕事を選んでこの役を断り、結局ハン・ソロ役としてでしか当時世間一般では知られていなかったハリソン・フォードが演じる事となった[1]

ヒロイン・マリオンの役には、デブラ・ウィンガーをスピルバーグは望んだのだが、「私は演技を必要としないような作品には出演しない」と断られ、スピルバーグは激怒したという。またスピルバーグは当時交際していたエイミー・アーヴィングにもマリオン役を打診している。オーディションにはショーン・ヤングも参加していた[2]

映画全篇でセリフは13行しか与えられていないものの、ドイツ語の「死」に聞こえる名前の通り、恐怖感を煽るゲシュタポのアルノルト・エルンスト・トート[3]少佐を演じたロナルド・レイシーは英国で舞台演出や演技コーチも務めたベテランである。オランダ時代のポール・ヴァーホーヴェン作品やテレビシリーズ『シャーロック・ホームズの冒険』のショルトー兄弟役(『四つの署名』)[4]などでも知られ、『最後の聖戦』ではセリフもクレジットも無いがヒムラー役で顔を見せている。1991年没。2度の結婚でもうけた子供2人も俳優になった。

『ショコラ』や『スパイダーマン2』に出演したアルフレッド・モリーナは本作が映画デビュー作品である。ペルーでインディが乗る飛行艇のパイロット=ジョック役を演じたフレッド・ソレンソンは、10年以上を経た後『ジュラシック・パーク』のハワイ・ロケがハリケーンで頓挫した際に奇遇にも空港に居合わせ、スピルバーグ率いる撮影チームのハワイ撤退を助けた。ILMの視覚効果監督デニス・ミューレンがインディを尾行し飛行艇に乗るスパイ役で数カット映る。この役は脚本段階ではトートと同一人物だったが、無名のゲシュタポだったトートが名前のある役に昇格したために別人となっている。

その他[]

Wellr2

後ろの柱には『スター・ウォーズ』のR2-D2とC-3POが描かれている。

『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望]]』を監督したジョージ・ルーカスが、興行的失敗の可能性を感じハワイに逃避していた時、『未知との遭遇』の撮影を終え休暇を取っていたスティーブン・スピルバーグが合流。『007シリーズ』のような作品を作りたいと言うスピルバーグに「それならこんなアイデアがあるよ」とルーカスが明かしたのが、この『レイダース』である。製作はルーカスフィルムで行い、ハワイから帰った半年後に正式にスピルバーグに参加を依頼、スピルバーグは監督を引き受けた[5]

ルーカスが『アメリカン・グラフィティ2』と『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』の製作、スピルバーグは『1941』監督が決まっていたので企画そのものは一時棚上げとなったが、延期した間にスピルバーグがローレンス・カスダンの脚本『OH! ベルーシ絶体絶命』を発掘、『帝国の逆襲』の脚本家リイ・ブラケットの死で危機に陥ったルーカスにカスダンを紹介、「ヒトラーのオカルト趣味」という実在の要素を盛り込んだフィリップ・カウフマンの原案もカスダンが脚本化する事になった。当初スティーヴ・マックイーンの『ネバダ・スミス』に因んだ[6]主人公の名前「インディアナ・スミス」はスピルバーグの「平凡過ぎる」という意見から「ジョーンズ」に変更[7]。「インディアナ」はルーカスの愛犬の名前でもあり、シリーズ第3作でこのエピソードが活用された。


スピルバーグはそれまで予算や日程をオーバーする傾向があったが、本作では撮影前に絵コンテを描いて第2班に任せる場面(トラックの追跡)を選定。撮影スタジオは低コストで済むという理由からイギリスで行い、セットやロケ地のミニチュアを作らせて撮影方法や機材を検討するなど入念に準備し、4回以上テイクを重ねず1日平均40シーンも撮影するというハイペースを維持。エジプトのシーンを撮影中ハリソン・フォードが体調を崩し(ジョン・ウー作品にも負けないと豪語する)三日月刀とムチの決戦を演じられなくなった際に「銃で撃つ」アイディアを用いるなど撮影ペースを停滞させないよう常に心がけた結果、配給のパラマウントに申し入れていた撮影予定を12日節約した[8]。コストマネージメントの感覚はプロデューサーとして経験を積んでいたルーカスから学んだものとも言えるが、本作の撮影開始を延期してまで取り組んだ『1941』が興業的に惨敗を喫した教訓とも無関係ではないと思われる。ルーカスはスピルバーグに「絶対に予算オーバーしないこと、撮影スケジュールを厳守する」という条件を付けた。「もし守れないなら、いつでも私と交代させる。」と話していた。

OB-CPO

ジョック・リンゼイの所有する水陸両用機OB-CPO

エジプトの野外ロケはチュニジアで行う事が早々に決まった。ルーカスが『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』で訪れており土地勘があったためである。エジプトの場面以外にも儀式のためにアークを運搬する途上の谷が『新たなる希望』でR2-D2が彷徨っていたタトゥイーンの谷と同じ場所である。

冒頭の洞窟に入る場面ではタランチュラ、アークの眠る「魂の井戸」の場面では無数の毒蛇がインディたちを脅かす。撮影スタッフはゴム製の長靴と手袋で身を固め、コブラを含む蛇六千匹を配置した撮影では血清と医者も待機した。動物に脅かされる場面は第2作では大量の虫、第3作では大量のネズミが登場するほか、「何故インディは蛇が苦手なのか?」という疑問にも第3作で回答がなされた。

パラマウント・ピクチャーズはこの作品を製作するにあたって、『インディ・ジョーンズ』の5作品製作の契約を結んだ。その内、スピルバーグとハリソン・フォードは3作の契約をしている。

冒頭に登場する複葉機の胴体の文字はOB-CPO。『スター・ウォーズ』のオビ=ワン・ケノービとC-3POに掛けたものだが、「OB」はペルーの国籍記号である。

序盤、講義の終了後に男子学生からリンゴをプレゼントされてインディーが困るシーンがある。これはリンゴは同性愛者の愛の告白に使用されるためである。それをマーカスがくすねるが、演じたデンホルムは両性愛を公言している。

ネパールでの銃撃戦、長身でシリーズ常連となったパット・ローチ(後半インディと殴り合いになるドイツ人兵士と二役)が演じたシェルパとインディが揉み合いになり、トートは部下に二人まとめた射殺を指示。"Shoot, Him"というセリフに部下が一瞬戸惑うのは、トートのドイツ語訛りで"showtime"とも聞こえるから。『最後の聖戦』でも訛りを活用したシーンがある。その後、炎にあぶられた「ラーの杖飾り」をトートが拾い上げ火傷をする。手に残った火傷の痕から杖飾りが複製されるという展開は逆にインディのアーク発見に繋がるが、手を火傷するシーン自体は後に『ホーム・アローン』にパロディとして使われる事になった。日本テレビの『レイダース』吹替え版で火傷した手を雪に突っ込み「ああ気持ちいい!」と言わせていたところ、『ホーム・アローン』でも同様「ああ気持ちいい!」と言わせて原典からの継承となった。原音はどちらもうめき声だけでセリフになっていない。

90年代に出たワイドスクリーン版レーザーディスクのためのリマスターでも音響効果が再編集されていたが、DVD化に際してフィルムの傷や埃が除去された上、幾つかの場面がデジタル修正された(ペルーの遺跡からインディが脱出する際のトンネルを転がる大石についた棒と、「魂の井戸」で撮影時に立てられていた安全用のガラスにインディと向かい合ったコブラが映る)。

BantuWind

前に写っているのがUボート。後ろの船はバンツー・ウインド号

作中に登場するドイツ潜水艦Uボートは、ドイツ映画『U・ボート』で、撮影に使われたものを借用した。

「魂の井戸」の中で、インディとサラーがアークを持ち上げるときに、インディ側の柱を見ると、C-3POとR2-D2が描かれている。

追跡シーンのテリー・レナードらによるスタントは『駅馬車』が参照された。インディがアークの載ったトラックを奪いドイツ軍が追いかけるシチュエーションはまさに『駅馬車』であろう。スピルバーグの絵コンテに基づく撮影はハリソン・フォード自身により演じられたシーンも含め8週間が費やされた。レナードは1994年の『マーヴェリック』で第2班監督を務め、やはり『駅馬車』にそっくりのスタントを演出している。

スピルバーグは『未知との遭遇』に続き友好的な異星人を主人公に据えた映画を作ろうと考え、ハリソン・フォードと親密だった脚本家のメリッサ・マシスンをチュニジアに呼んでアイディアを話した。ハリソンとマシスンは83年に結婚。またマシスンによって脚本化された『E.T.』は『レイダース』終了後製作に入り、82年に公開され記録的な大ヒットとなった。しかし、同時にハリソン主演の同年公開SF映画『ブレードランナー』を興行的失敗に追い込むこととなった。

脚注[]

  1. 『スター・ウォーズ』以降ハリソンへの出演依頼は急増し、ギャラも上昇したが、ハン・ソロに似た役柄はもう演じたくないと考え、役柄の幅を広げたい意向をルーカスに伝えていた(デール・ポロック『スカイウォーキング』)
  2. Imdb
  3. フルネームは小説版より
  4. ビデオの吹き替え版でトート役を担当した樋浦勉は『四つの署名』でもレイシーの吹替えに起用された。
  5. 劇場公開時のパンフレットより
  6. Imdbの「トリビア」より。
  7. 筈見有弘『スピルバーグ』(講談社)では「語呂が悪いから」としている
  8. 劇場版パンフレットにはパラマウントにわざと撮影予定を多めに伝えていたという記述あり。

関連項目[]

タイムライン
前作 次作
1936年 1936年 1936年
Indiana Jones and the Legion of Death レイダース/失われたアーク《聖櫃》 Indiana Jones in Revenge of the Ancients
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